暗号資産のマイニング(採掘)とは?仕組みや方法をご紹介します

マイニング

2018/08/08

暗号資産に関する言葉として、頻繁に目にするものの1つに「マイニング(採掘)」があります。しかし、言葉として目にすることは多くても、マイニング(採掘)がどういうものなのか、それによって何が出来るのかといった具体的な内容については知らない人も多いのではないでしょうか。今回はそんな暗号資産のマイニング(採掘)について、仕組みや方法などを交えてご紹介していこうと思います。

マイニング(採掘)とマイナーとは?

「マイニング」はもともと鉄鉱石や金鉱石などの鉱石を採掘することを指す言葉でした。しかし、暗号資産におけるマイニング(採掘)は、全く異なる意味をもっています。端的に表すと「暗号資産の取引内容を承認し、取引台帳に最新の取引内容を追加する作業」のことを表します。例えば多くの暗号資産ではベースとなる技術としてブロックチェーンを採用していますが、このブロックチェーンの中の各ブロックには、過去の取引履歴や署名、タイムスタンプなどが格納されています。ブロックは一定時間毎に、最新の取引記録を追記したものが生成され、そして鎖状に繋がれていくことで通貨の所在が明らかになるように出来ています。この取引記録の内容が正当であることを承認し、そして承認された最新の取引記録を追加した新たなブロックを生成する作業こそがマイニング(採掘)です。マイニングに成功すると報酬としてその通貨が貰えるという仕組みになっているのですが、これが鉱石の採掘に似ていることからこのような名称が付けられました。

マイナーとは

コンピュータを使用してマイニング(採掘)に参加する個人や団体のことを「マイナー」と呼びます。暗号資産が登場したばかりの頃は個人でもマイニング(採掘)をすることが出来ましたが、昨今では複数名がコンピュータを参加させてマイニング(採掘)を行う「マイニングプール」や、巨額の資金を投じて専用のコンピュータを大量に設置し、事業としてマイニングを行う「マイニングファーム」などが市場全体の処理能力の殆どを占めており、個人のマイナーは日に日に少なくなっています。

暗号資産のマイニング(採掘)の方法とは?

マイニング(採掘)の仕組み

暗号資産のマイニング(採掘)の方法について解説する前に、もう少しマイニング(採掘)の仕組みについて詳しくご説明したいと思います。暗号資産は実体が無いデジタルな存在です。そのため、どこにどれだけの通貨が存在するのかを正確に把握するためには、その通貨が生まれてから今現在までどのような取引がされたのかを1つ残らず正確に記録し続ける必要があります。そこで、暗号資産の取引記録台帳にはハッシュ関数という非常に複雑な演算が用いられています。このハッシュ関数は、ナンス(nonce)と呼ばれる値を代入するとハッシュ値と呼ばれる答えが導き出されるもので、同じナンスを代入すれば誰が計算をしても同じハッシュ値が得られるという特徴があります。このハッシュ関数にナンス(nonce)を代入し、一定の条件を満たすハッシュ値が導き出されるとマイニング(採掘)が成功となり、過去の取引記録、前のブロックのハッシュ値、ナンス(nonce)が入ったブロックが完成します。そして更に、取引記録と現在のブロックのハッシュ値を格納した次のブロックが生成され、報酬として新規発行される通貨がマイナーに与えられるのです。一連の作業は全てコンピュータが行うので、私達が実際に手を動かして何かを行うということではありません。

マイニングの種類

マイニングはコンピュータを使って行うのですが、自身でそのためのコンピュータを用意するものから、コンピュータなどを用意しなくても行うことが出来るものまでいくつかの方法があります。それでは、順番にご紹介しましょう。

ソロマイニング(個人マイニング)

最初にご紹介するのが個人でマイニングに必要なコンピュータを用意してマイニング(採掘)を行う「ソロマイニング(個人マイニング)」です。個人でマイニング(採掘)を行うため、マイニング(採掘)が成功した時の報酬を全て受け取ることが出来るという特徴があります。しかし、先述したように昨今ではマイニングプールやマイニングファームが台頭しているため、ソロマイニングでのマイニング(採掘)成功率は低くなっており、この方法でマイニング(採掘)を行うマイナーもほとんど見られなくなりました。

プールマイニング

集団で行うマイニング(採掘)のことを「プールマイニング」と言います。ソロマイニングとの違いは「マイニングプール」という集団に自分のコンピュータを参加させることで、コンピュータの処理能力を合算してマイニング(採掘)を行うことが出来るという点です。処置能力はソロマイニングよりも飛躍的に高くなりますから、マイニング(採掘)の成功率も高まります。ただし、報酬は山分けになるので、成功1回あたりの報酬は少なくなります。

クラウドマイニング

「クラウドマイニング」は自身のコンピュータを参加させることなくマイニング(採掘)を行うことが出来る方法です。その代わりに、参加者は資金を拠出し、その資金を元にマイニングファームと呼ばれる企業がマイニング(採掘)に必要な環境を整えてマイニング(採掘)を代行します。報酬は株式投資における配当のような形で参加者に分配されます。

演算処理方法による違いとこれまでの変遷

CPUによるマイニング(採掘)

今でこそ専用のコンピュータを使うことが当たり前になったマイニング(採掘)ですが、以前は私たちが日常で使用しているパソコンでも行う事ができました。その頃に主流として行われていたのがCPUによるマイニング(採掘)です。CPUは「Central Processing Unit」の略で、日本語にすると「中央演算処理装置」となります。コンピュータの頭脳とも言える装置で、これが無いとコンピュータはコンピュータとしての役割を何一つ果たすことが出来ません。

GPUによるマイニング

マイニング

暗号資産の認知度が高まり、それに比例して価値も高まってくると、マイナーの数も増え、より高い処理能力を持つコンピュータが求められるようになりました。そこで用いられるようになったのがGPUです。GPUは「Graphics Processing Unit」の略で、主にコンピュータグラフィックに必要な演算処理を行う装置です。GPUは1台でCPU数十台分の処理能力を持っているため、CPUよりも効率的なマイニング(採掘)が可能になりました。一時はGPUによるマイニング(採掘)の人気によってGPUが品薄になり、価格が高騰するということが起きました。

ASICによるマイニング

そして、現在(2018年7月)マイニング(採掘)用のコンピュータとして主流となっているのがASIC(エーシック)です。ASICは「Application Specific Integrated Circuit」の略で、日本語に直訳すると「特定用途向けの集積回路」となります。つまり、マイニング(採掘)をするためだけに作られた装置です。専用の装置ですからその他の用途には使えません。その代わりに処理能力はとても高く、マイニングファームでは何千台、何万台のASICが絶えずマイニング(採掘)を行っています。

マイニング(採掘)の始め方

では実際にマイニングを始めるには、どのようなものを準備してどのような手順で行えばよいのでしょうか。

準備するもの

ソロマイニングとプールマイニングを行うには、マイニングに参加させるコンピュータを準備する必要があります。またソロマイニングではマイニング用のソフトウェアをコンピュータにインストールすることが、プールマイニングでは参加するマイニングプールへの登録をすることなどが必要になります。一方でクラウドマイニングの場合、個人でコンピューターを用意する必要はありません。その代わりにマイニングを代行する企業に支払う資金を用意する必要があります。また、共通して必要になるものとして、マイニング(採掘)が成功した際の報酬を受け取るためのウォレットが挙げられます。ウォレットとは暗号資産を保存するためのお財布のようなものです。形式によって様々な物がありますので、安全面や使いやすさなどを比較して準備することをおすすめします。

マイニング(採掘)の手順

マイニング

マイニング(採掘)を行う基本的な手順は、用意したコンピュータにマイニング(採掘)したい暗号資産に対応しているマイニングソフトをインストールし、初期設定を行えば完了です。あとはネットワークにコンピュータが接続されていれば、コンピュータが自動的にマイニング(採掘)をしてくれます。ソフトの設定事態も特段複雑ではありませんから、個人でも始めること自体は可能です。しかし、例えば今あなたが使用しているパソコンでどんな暗号資産でもマイニング(採掘)を行うことが出来るかと言うと、決してそういうわけではありません。先述した通り、暗号資産のマイニング(採掘)に使用されるコンピュータはASICがほとんどです。その処理能力は、私達が一般的に使用しているパソコンとは桁が違います。もちろん、パソコンにもマイニングソフトをインストールすることは出来ますし、マイニングに参加させること自体は可能ですが、マイニング(採掘)を行う通貨によっては全く報酬が得られないとうこともあるので、通貨選びが重要なポイントになってきます。

暗号資産のマイニング(採掘)のメリット・デメリットと注意点

暗号資産のマイニング(採掘)には、行うことによるメリット・デメリットと、行うにあたっての注意点がいくつかあります。

暗号資産のマイニング(採掘)のメリット

メリットとして挙げられるのは、やはりマイニング(採掘)が成功した時に受取ることが出来る報酬です。マイニング(採掘)を行う通貨によってその価値はまちまちですが、報酬として受け取った暗号資産を取引所などで売却したり、または決済に利用できる店舗で商品の購入やサービスの代価として支払うことも可能です。

暗号資産のマイニング(採掘)のデメリット

一方で、デメリットとして挙げられるのは、報酬を得られる可能性の不確実さです。マイニングファームやマイニングプールが台頭したことで、暗号資産のマイニングに参加しているコンピュータの処理能力の合計(ハッシュレート)は日に日に高くなっています。つまり、暗号資産のマイニング(採掘)市場は新規参入が相次ぎ、競争が激しくなっているのです。そんな中で安定的にマイニング(採掘)を成功させ、報酬を得るのは決して簡単なことではありません。使用するコンピュータもいつかは壊れますし、マイニング(採掘)をしている最中は必ず電気を使用します。そうしたコストとのバランスを考えて行わないとマイニング(採掘)に参加しても、損失だけが残ることもあるのです。

暗号資産のマイニング(採掘)の注意点

マイニング(採掘)に参加するにはコンピュータを常にネットワークに接続した状態で動かし続ける必要があります。そうした状況において注意すべき点が大きく2つあります。1つ目は電気代です。マイニング(採掘)をしているコンピュータは常に複雑な演算の処理をし続けています。その為、マイニング(採掘)を行う限り、一定量の電気を使用することになるのです。電気の消費量は使用するコンピュータにもよりますので一概にどのくらいとは言えませんが、マイニング(採掘)の報酬で得られる暗号資産の金額と照らし合わせてコストを計算する必要があります。2つ目はウイルス感染の危険性です。マイニング(採掘)中のコンピュータは常にネットワークに接続されていますから、外部からウイルスなどが侵入する可能性は否定できません。またウイルスとは少し異なりますが、自身ではマイニング(採掘)に参加しているつもりがなくても、あなたのコンピュータが勝手にマイニング(採掘)に利用されてしまうこともあります。警察庁の発表によると、閲覧者に気付かれないように暗号資産を採掘するツール(マイニングツール)が設置されているウェブサイトが確認されています。このツールが設置されたウェブサイトにアクセスすると、閲覧者のコンピュータの処理能力がマイニング(採掘)に利用されるという仕組みです。なお、こうしたマイニングツールをウェブサイトに設置すること自体は犯罪ではありませんが、設置を明示していない場合は犯罪になる可能性もあります。

まとめ

ここまで暗号資産のマイニング(採掘)についてご説明してきました。暗号資産というと一般的には取引所や販売所を通じての売買で入手することが一般的ですが、マイニング(採掘)を通じて暗号資産を入手するのも面白いかもしれませんね。ただし、メリットやデメリット、注意点もありますので、まずはそれぞれについて検証することをおすすめします。