ビットコイン(bitcoin)と税金の仕組み

ビットコイン(bitcoin)と税金の仕組み

2018/08/08

ビットコイン(bitcoin)をはじめとする仮想通貨は投資対象として取引されることも多くなっていますが、取引で発生した利益にはどのような税金がかかるのでしょうか。実は仮想通貨の税制は2017年に取扱いに関する方針が国税庁から発表されたばかりで、発表当時は話題になりました。今回のコラムでは、ビットコイン(bitcoin)をはじめとする仮想通貨について、現時点(2018年7月現在)でかかる税金の種類やその税率などを解説していきます。

ビットコイン(bitcoin)と税金について

ビットコイン(bitcoin)をはじめとする仮想通貨について、税務上の方針が初めて発表されたのは2017年9月でした。国税庁がホームページ内にあるタックスアンサーの中で、以下のような内容を発表しています。

No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
[平成29年4月1日現在法令等]
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。(所法27、35、36)

この発表によって、ビットコイン(bitcoin)の取引を含む仮想通貨の使用で得た利益には「税金が課せられる」ことと、「原則として雑所得として扱われる」ということが発表されました。更に、2017年12月には、同じく国税庁が個人課税課情報の第4号として、『仮想通貨に関する所得の計算方法について(情報)』という資料も発表し、「所得税の確定申告が必要になること」や、「課税対象となるケース」、「仮想通貨に関する損益の計算方法」などについても詳しく発表したのです。

かかる税の種類

それでは、ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を使用することで得た利益にはどのような税がかかるのでしょうか。答えはズバリ、「所得税」です。先述した国税庁の発表にもある通り、ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を使用することで得た利益は原則として「雑所得」に分類されます。この雑所得に対して課せられるのが所得税です。

課税対象となるケース

税金は基本的に、利益が出た際その利益額に対して一定の税率を乗じて算出されます。では、ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を使用する際は、どのような場合に利益が出たとみなされるのでしょうか。国税庁からの発表では、大きくわけて5つのケースで利益確定をしたとする旨の内容が公表されました。

ケース1 売却(換金)

最も分りやすいのが、ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を売却した場合です。例えば1BTC分のビットコイン(bitcoin)を100,000円で購入し、後日200,000円で売却した場合、100,000円の利益が出ますから、この利益部分が課税の対象となります。

ケース2 商品の購入

次に挙げられるのが、ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨で商品を購入した時です。例えば1BTC分のビットコイン(bitcoin)を100,000円で購入し、200,000円になったタイミングで、200,000円のテレビをビットコイン(bitcoin)で購入したとします。すると、やはりテレビの購入にビットコイン(bitcoin)を使用したタイミングでは、ビットコイン(bitcoin)を購入した時から100,000円分の価値が上乗せされていますので、その分が課税対象となるのです。

ケース3 他の仮想通貨への交換

次に挙げられるのが、他の仮想通貨へ交換したタイミングです。例えば1BTC分のビットコイン(bitcoin)を100,000円で購入し、ビットコイン(bitcoin)の価格が200,000円になったタイミングで、他の仮想通貨に交換したとしましょう。この場合も商品購入と同じで、ビットコイン(bitcoin)を使って他の通貨を「購入した」という考え方になるので、ビットコイン(bitcoin)を購入したと時から、他の仮想通貨に交換した時に上乗せされた100,000円が課税の対象となるのです。

ケース4 分裂(ハードフォーク)

続いて挙げられるのが、仮想通貨が分裂した時です。代表的な例を挙げると、2017年にビットコイン(bitcoin)が分裂して、ビットコインキャッシュが誕生しました。その際、ビットコイン(bitcoin)の所有者には同数のビットコインキャッシュが配布されましたが、このビットコインキャッシュは言い換えればタダで価値のあるものを受け取ったということになります。ですので、受け取ったビットコインキャッシュで得た利益は全て課税対象になります。しかし、一点気を付けなければならないのは、ビットコインキャッシュを受け取った段階では、あくまで含み益の状態であって、利益が確定したとはみなされません。利益が確定したとみなされるのは、受け取ったビットコインキャッシュを売却(換金)したり、商品の購入に使用したり、他の仮想通貨に交換をした時です。

ケース5 マイニング

最後のケースが仮想通貨をマイニングで取得した場合です。この場合は、マイニングで仮想通貨を取得した瞬間に、一度利益が確定します。その際の利益額は、取得した時の仮想通貨の時価から、マイニングに掛かった費用(電気代など)を差し引いた金額になります。さらに、マイニングで得た仮想通貨を売却(換金)したり、商品の購入に使用したり、他の仮想通貨に交換した時も課税の対象となります。マイニングで仮想通貨を得た時の価格と仮想通貨を使用した時の差額部分が課税対象です。

税率と税額の計算方法

ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を使用することで得た利益は雑所得として扱われます。そしてこの雑所得は、他の所得と合算されて課税される「総合課税」という形で税額を確定します。税率は、2018年7月現在

課税される所得金額

税率

控除額

195万円以下

5%

0円

195万円を超え、330万円以下

10%

97,500円

330万円を超え、695万円以下

20%

427,500円

695万円を超え、900万円以下

23%

636,000円

900万円を超え、1,800万円以下

33%

1,536,000円

1,800万円を超え、4,000万円以下

40%

2,796,000円

4,000万円超

45%

4,796,000円

このようになっています。例えば、会社員の場合は会社からのお給料(給与所得)が500万円ある人が、ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨で300万円の利益を得たとしましょう。すると、合計の所得は800万円ですから、税額は800万円×23%=1,840,000円から控除額の636,000円を差し引いた1,204,000円となるわけです。さらに、2037年までは復興特別所得税がかかりますし、更に翌年の住民税もこの時の所得をベースに計算された金額に改められるという点も覚えておく必要があります。会社からのお給料は予め源泉徴収によって所得税が差し引かれていますが、仮想通貨取引で利益が出た場合、改めて確定申告を行い、収めるべき税額と源泉徴収で収めた税額の差額を支払う必要があるので、注意してください。

ビットコイン(bitcoin)には確定申告が必要?

ビットコイン(bitcoin)には確定申告が必要?

ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨で利益を得た場合、その利益が年間の通算で20万円を超えていれば、確定申告が必要になります。例えば、Aさんが1月に100,000円で購入した1BTC分のビットコイン(bitcoin)を12月に500,000円で売却したとします。この場合、Aさんは400,000円の利益を得ていますから、確定申告の対象者となり、必ず税務署に確定申告を行う必要があります。ただし、一度の取引で確定申告の対象となる金額の黒字が発生しても、他の取引で赤字が出てしまい、年間の利益が20万円に達しなかった場合には、確定申告を行う必要はありません。もちろん、仮想通貨の取引以外で雑所得を得ていた場合は、全ての総額で20万円を超えていれば確定申告が必要ですので、注意してください。

仮想通貨は損益通算ができない

課税の対象となる所得を計算する際に聞かれる言葉として、「損益通算」というものがあります。例えば、あなたが会社でのお仕事とは別に個人で事業を営んでいる場合、給与所得と事業所得の2つを得ることになります。しかし、事業に失敗してその年は赤字だった場合、給与所得が500万円の黒字、事業所得が100万円の赤字だとすると、この2つの損益を相殺して、課税対象となるのは400万円分とすることが可能です。しかし、これが雑所得になると、他の所得との損益通算ができません。(雑所得どうしであれば損益通算が可能です。)その為、仮に仮想通貨を使用することで赤字が出てしまっても、他の所得とは相殺ができず、例えば給与所得が500万円のあった場合は、500万円全てが課税対象になってしまいます。

仮想通貨は繰越もできない

仮想通貨の税についてもう1つ気を付けなければいけないのが、「繰越」ができないという点です。例えば、昨年は仮想通貨を使用することで100万円の赤字でしたが、今年は200万円の黒字が出たとします。この際、損失の繰越が認められる場合であれば、今年の利益200万円から昨年の赤字100万円を差し引き、残りの100万円が課税対象とされるのですが、雑所得の場合この損失の繰越が認められていないので、昨年の赤字は相殺することができず、200万円全てが課税の対象となるのです。

ビットコイン(bitcoin)の税金対策の方法

ビットコイン(bitcoin)の税金対策の方法

では、ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を使用する際に出来る税金対策はあるのでしょうか。これは仮想通貨に関わらず全ての税について言えることですが、課税の対象となるのは所得ですから、所得の額を正確に把握することが一番の対策になります。その為に必要となるのが、ビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を得た(購入、分裂での取得、マイニングでの取得)時の価格や、売却(換金)したり、商品の購入に使用したり、他の仮想通貨に交換した時の価格と取引内容です。例えば、確定申告のタイミングで、赤字になった取引を見逃してしまい、黒字額を多く申告してしまうと、当然のことですが納税額が多くなってしまいます。また、逆に黒字の取引を見逃して、課税対象額を少なく申告してしまうと、税務署から指摘を受け、時には延滞税を追加で支払うこともなりかねません。仮想通貨の税については、税金の金額を減らすということよりも、正確な確定申告を行うことで、余計な出費を作らないということを心がけるようにしましょう。

まとめ

今回はビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を使用する際に得た利益の税について解説しました。仮想通貨の税については、2017年に方針が発表されたばかりで、今後の取扱いがどのようになるのか注目されています。税制が変化するのか、このままなのかは分かりませんが、いずれにしても決められた制度に従って正しく課税対象額と税額を確定し、納税をすることが一番です。その為にもビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を使用する際にはその取得価格と使用時の価格をきちんと把握しておきましょう。