PoW

ビットコインや暗号資産に関する、お役立ち用語をわかりやすくご紹介!

PoWは「Proof of Work」の略です。日本語に直訳すると「仕事の証明」という意味になりますが、少しニュアンスが異なります。正しいニュアンスに近づけると、「仕事の量による承認」といった言葉になります。このPoWは暗号資産の取引承認に関連する言葉で、より仕事量の多い者が取引の承認を行うという仕組みを指しています。

マイニングとの関係

PoWについて理解するにあたっては「マイニング」について理解する必要があります。マイニングはビットコインなど多くの暗号資産で用いられている、取引内容の承認と取引記録を追記する方法です。このマイニングに成功し、取引の承認と取引内容の追記を行った者には、新規発行される通貨が報酬として与えられる仕組みになっています。このマイニングでは、ハッシュ関数という非常に複雑な演算の答え(ハッシュ値)を最も早く見つけた者に取引の承認と取引記録を追記する権利が与えられます。ハッシュ関数の答えを見つけるには、数式にひたすら数値を代入して計算を行うほかありません。つまり、より多くの数値を代入して計算を行った者が取引の承認と取引記録の追記をすることができ、そして報酬を受け取ることが出来るのです。こうした計算の量=仕事の量によって誰に権限を付与するかが決まる仕組みがPoWです。

PoWのメリットとデメリット

PoWのメリットとして一番に挙げられのは、不正に強いということです。PoWによる取引承認では、他者より先に正解となるハッシュ値を見つけなければなりません。そのためにはより処理能力の高いコンピュータをマイニングに参加させる方が有利ですが、処理能力の高いコンピュータは購入費などのコストが高くなります。マイニングで受け取れる報酬は通貨ごとに定められており、かけられるコストは必然的に報酬の範囲内になります。よって処理能力を向上させられる範囲にも限界があり、特定の者による処理能力の独占はほぼ不可能なのです。一方デメリットとして、電気使用量の増加が挙げられます。マイニングに使用するのはコンピュータなので、マイニングをしている間は絶えず電気を使用します。しかも、その電力使用量は暗号資産の普及に伴って驚異的なスピードで増加し、2018年現在では一国の総電力使用量すらも超えると言われています。コスト面の問題はもちろんですが、それだけの電力を使用するとなると、少なからず化石燃料も使用されているでしょうから、地球温暖化などの環境問題が悪化するという指摘すらされる事態になっています。

51%攻撃

PoWで懸念される点として「51%攻撃」があります。PoWが不正に強いというのは事実ですが、昨今では巨大な資本を投下してマイニング環境を整え、事業としてマイニングを行うマイニングファームが増え、マイニング市場の寡占化が進んでいます。有力なマイニングファームが手を組み、その計算能力の占有率が51%を超えてしまうと、不正な取引を正当化することや、正当な取引を拒否すること、更にはマイニング(採掘)の独占をすることすら出来てしまうのです。こうした状況を「51%攻撃」と呼び、現在ではこうした事態の発生が危惧されています。

PoS/PoC/PoIとの違い

取引承認の権限付与の仕組みにはPoW以外にもPoSやPoC、PoIといった仕組みがあります。PoSは「Proof of Stake」の略で、保有している通貨が多いほど取引承認権限を付与されやすくなり、報酬も多くなるという仕組みです。PoWのような演算が必要無いので、電気の大量消費を避けることができますが、通貨を大量保有する人が増え、流動性が下がるというデメリットがあります。現在イーサリアム(イーサ)がPoSの導入に向けて、様々な動きを取っています。PoCは「Proof of Consensus」の略で、事前に承認権限を持つ者を複数選定しておき、そのうちの80%以上の賛成によって承認が行われる仕組みのことを指します。限られた者だけで承認が可能なので、処理スピードが早いというメリットがある一方、中央集権的なシステムだとして批判も多くなっています。XRP(リップル)がPoCを採用している代表的な通貨です。PoIは所持している通貨の量や貢献度=取引をした額や回数等から算出されるImportance (重要度)によって取引承認権限が付与されやすくなるという仕組みです。PoSを改善して生まれた仕組みで、NEM(ネム)という通貨が採用しています。